「5軸マシニングセンタ」の特徴や従来の横型・立型のマシニングセンタとの違いについては前ページ「5軸マシニングセンタについて」にてご紹介しました。
3DCADによるデータが、素材の強度などを踏まえた上で立体として成立するものであれば、たとえどのような複雑な形状であっても削り出す事ができるのが「5軸マシニングセンタ」です。実際の現場では以下のような加工を行う際に用いられています。
- 多面にわたって加工が必要な製品
- 各面間の精度が非常に微細で、工程を分ける事ができない製品
- 5軸マシニングセンタを利用する事で、飛躍的に加工工程が短縮できる製品
- 同時5軸加工でなければ加工不可能なほど複雑な形状の製品

一例として、水中用一眼レフカメラ・ビデオカメラの「ハウジング」が挙げられます。「ハウジング」とは水中用カメラの防水ケースです。一眼レフカメラ・ビデオカメラを、このハウジング内に収める事で、水中でも陸上と同様に使う事ができるオプションです。このハウジングはメーカー各社のモデルに適合するように作られており、そこには些細なズレも許されません。ほんの小さなサイジングのズレが浸水を招いてしまうからです。しかし、一眼レフカメラ・ビデオカメラの形状にピッタリと合致し、かつかさばらないものを製作するのは至難の業です。また水中での使用という事を考えれば、多数の板を接着するような作りでは不安が残ります。最低限の継ぎ目でカメラを覆い、浸水を防がなければならないのです。
このハウジングの加工を可能としたのが「5軸マシニングセンタ」です。3DCADによる設計図通りに耐腐食アルミ合金を削り出し、ハウジングに必要とされる多面にわたる複雑精緻な加工を実現します。同じ作業を人の手で行えば、とてつもない時間とコストがかかる事になります。現在のところ、コストパフォーマンスを考えれば「5軸マシニングセンタ」での加工に勝る良策はありません。
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